横浜栄共済病院@高橋です。今年もGEブースに行ってきました。GEはAIRコイル・テクノロジーを全面的にアナウンスしていました。今年は日本のユーザも3施設使えるようになったことで多くの臨床画像も見せていただきました。ITEM開始間もなくでしたので、まだそれほど混んでいなくゆっくりお話を聞くことができました。下記のようにAIRコイル・テクノロジーは1) AIR Head Coil, 2)Air Anterior Coil(毛布コイル), AIR Touchの3つの特徴からなります。
モックアップですが、通常のAnterior Array CoilとAir Anterior Coilを展示してありました。これだけではわかりにくいので人形も2体用意してありました。どれくらい軽いのか、どれくらい汎用性が高いのか?なども実演可能でした。今年もGEヘルスケアの五十嵐さんに説明を伺いました。早速、躯幹部ではなくて皆さんが一番関心のある四肢のセッティングの実演をしてもらいました。まずは右肩から右上腕、右前腕部分のコイルセッティングです。コイルを右上肢の下に置いて…………………….
このように巻き付けてセッティング可能です。カップリングも心配ないということでした。フレキシブル(柔らかい)ので密着性もとても良いです。
次は片足を巻いてみましょう。このように右足をコイルで包んで
右足上部で巻き込んで終了です。ここでもカップリングは心配ないということでした。
両下肢もこのように上下、左右とも大きいので十分カバレージできるということでした。
先程も書きましたが、コイルは柔らかく密着性があるので、妊婦のように凸な状態であってもコイルを密着させて均一に撮影する要因の一つに貢献しているということでした。少し脱線しますが、当院も新しい感度補正技術reFINE(リファイン)が使えるようになりました。画期的に3Tの画質が変化しました。ここまで綺麗になると医療安全のハンドリングを考えないのであれば3T装置onlyにしても良いなと考えさせるくらいです。少し遠慮がちに使っていた32ch Head Coilもフルで活用できます。驚きました。
汎用コイルとの相違はg factorが均一に1.0に近いこと、これはパラレルイメージングのFactorを上げることに寄与します。腹部においても冠状断で4.0という高いFactorが使えます。SSFSEなので、暈けが小さくなります。
この恩恵は拡散強調画像です。位相SIでなくRLが使えます。歪がないので、椎体がS時になっていないのがわかります。
MUSEはマルチショットDWIの拡散強調画像です。計算で位相補正をします。シーメンスのResolveと使い方は同じになります。撮影時間はshotの数に応じて延長しますが、歪のない、高分解能な拡散強調画像を得ることができます。簡単なFusion設定でもほぼ位置が合うことがわかります。
次も拡散強調画像です。頭部においてPROGRESが使えます。これは計算上の歪み補正です。b0を撮影する前提です。b0の画像を1)通常、2)逆傾斜磁場2つの撮影をします。得られる歪が相違した画像を使って歪を補正するアルゴリズムを作ります。それを拡散強調画像に応用します。イメージベースなので画像も早く計算されます。磁化率アーチファクトがなくなっていました。吃驚しました。
AIRコイルの話に戻りますが、左が専用の膝コイル、右がAIRコイルです。同じ分解能でカバレージを広く取ることが可能です。膝は軽く屈曲ですが、補助具を使えば大丈夫でしょうか?AIRコイルがあれば、なんでもできる印象でした。
ようやくこの時がやってきました。AIRコイル1枚で2StationでDWIBSが撮影できるようです。川崎幸病院の中 孝文先生が考案したそうです。撮像断面は冠状断です。位相はSIですが、RLでも大丈夫ということでした。LAVA-FLEXも綺麗なのですが、PROPELLER-MBで撮影できるようになったSTIRも綺麗でした。最新のDV27のプラットホームでAIRコイルは使用できます。コイルの選択は自動で選択されます。
AIRコイルで肩も足も…….もうどこでも撮影できる。これ1枚でなんでも撮影できる!というところでしょうか?良いですね。
皆さん、こういう使い方もできるのですよ。前立腺はルーチンで高分解能に、骨転移も心配なので、広範囲Body MRI。勿論DWIBSでも良いでしょう。時間に余裕があればこういった使い方もできます。
次はHyper ARCです。AIRコイル・テクノロジーでSNが担保されました。そこで思い切ってパラレルイメージングであるARCのFacorを上げます。Denoiseはフィルターでおこなうようです。2Dはデーター量が少ないので、CSとの相性はあまりよくないようです。ちなみにシーメンスはマルチバンドで撮影時間を短縮します。各メーカ違う考え方で面白かったです。
Hyper ARCを使った頭頸部の例です。
Hyper SENSEの話も多くありましたが、この情報はすでに広く知られているので(昨年のITEM報告をみてください)、今年はAIRコイル・テクノロジーを中心に報告させていただきました。
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