東芝メディカルシステムズの目玉は、3.0T TitanにSaturn(サターン) Gradientが加わったということでした。また新しいversion2.5の紹介もありました。
モックアップ展示は3T Titanでした。
Saturn Gradientは最大傾斜磁場強度が45mT/mです。4ch送信で71cmのWideBoreです。
Saturn(サターン) Gradientは、2つの大きな特長があります。ひとつめは、傾斜磁場コイルの固定を強くしたことです。
傾斜磁場強度を強くすると、傾斜磁場コイルによるきしみ(音)は大きくなります。対策として、傾斜磁場コイルを収めている空間の圧力を高め、より傾斜磁場コイルの固定を強化しました。
ふたつめは、傾斜磁場コイルの冷却を良くしたことです。傾斜磁場コイルは、さらにより熱が発生するので、図のように青い部分のところ、冷却を3重にしたそうです。
傾斜磁場の性能がよくなったので、位相分散や周波数シフトを抑制できます。拡散強調画像やFSEなどのエコー間隔などが短くなり、高分解能、高画質の画像を得ることができます。
東芝も3D ASLができるようになりました。約2分で撮影ができます。3D収集はGradient echo法を用いているということでした。
ver2.5の特徴の一つですが、パラメータ設定の自由度が高くなりました。例えば、従来は受信バンド幅は固定だったのですが、今では変化させることができます。またこのようなスライダーバーに最小値、最大値を示し、設定可能域を明示することで、より直感的に設定を変化させることが可能です。
もう一つの特長として、Prescanの時間を大幅に短くしたということでした。これによりトータルの撮影時間は短くなります。
膝の画像です。背面の埋込み型コイルと表面コイルの組み合わせで、撮影をおこないます。1024マトリクス表示により、とても高解像度に撮影できます。
足の指を写した画像です。G社と同じOEM供給で16chのフレックスコイルを採用しています。なお、最後に出てきますが、東芝独自の補助具(固定)が素晴らしく良いなと感じました。
1.5T装置の廉価版、少スペース設計、エコのVantage Elanです。すでに102台日本全国に納入されたそうで、これは驚異的な数字とのことでした。
最近では、このように開業医のクリニックに多く設置されされています。従来永久磁石を使っていた病院が買い替えをしているため、この販売台数になったということでした。この写真はたかだ脳神経外科(神奈川鎌倉市)の例です。
1.5TのTitanも非常に好評だということでした。まず脂肪抑制パルスにSPAIRを使うことができるようになりました。脂肪をより精度よく抑制させます。また従来の拡張末期ではなく、頻脈時による収縮期撮像を考慮し、脂肪抑制パルスの印加タイミングを最適化しました。これにより総合的に脂肪抑制がよくなったということでした。
3D ASLを使い、多時相でMRAを撮影できます。これで約5分の撮影ということでした。
最後に、16chフレックスコイルの固定補助具です。同じコイルを現在使っているので、この補助具のよさがよくわかります。足関節の補助具が真ん中にあります。左は肘を撮影するときの補助具、右は肘、手首用のものです。この補助具類はよくできているので自施設でも購入したいと思いました。
写真のように補助具を組み合わせて、肘を撮影します。固定がとてもよい感じです。
これは膝用です。16chフレックスコイルで巻いても良いし、先に説明したフレックスに加え、背面コイルを用い、両者で挟んで撮影しても良いということでした。以上東芝ブースの情報でした。
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