RADっていいとも 素敵な仲間とのペンリレー (76) 西川 啓

みなさんこんにちは、九州大学病院の西川啓です。一昨年からMRI fan.netの編集委員にお誘いいただきました。九州で活躍するMRI愛にあふれる方々に、これからバトンを渡していきたいと思います。

自己紹介

私は1970年長崎県五島市に生を受けました。現在、大阪で開催中の万国博覧会が前回同じ大阪で開催された年です。その後1994年に九州大学医療技術短期大学部を卒業し、九州大学病院に入職しました。2001年に初めて操作したMRI装置はシーメンス社のSynphonyとMAGNETOM Visionという装置でした。以来、MRIという深い森を彷徨っています。

趣味・特技

履歴書等に記載するこの「趣味・特技」に若いころは迷わずバスケットボールと書いていました。高校から始めて34歳でクラブチームを引退するまでは、毎日のように練習していました。この頃の夏はスキューバダイビング、冬はスキーと興味を持ったものには何にでも没入していました。ところがある程度までになるとすぐに飽きてしまい、直ぐに遠ざかってしまいました。でもバスケだけはなかなか思い通りにはならず、ある時心に火が付きます。結果、長い間続けることができました。決して運動能力が高くない私がバスケのような激しいスポーツを長く続けられたのは、そこに合理的な物理や数学的思考を見出していたからです。走る速さや瞬発力に図抜けた相手でも、予測や作戦で出し抜くことができます。個人では負けてしまう相手にでもチームでは上回ることができます。これがチームスポーツの醍醐味です。…と、ついついスラムダンクのようなことを口走ってしまいました。

最近では様々なスポーツを観戦するのが大好きです。バスケはもちろん、野球、サッカー、バレー、テニス、ラグビー、相撲などスポーツ全般何でも見ています。そして今のプレーはどうしてそうなったのか?を考えるのが大好きです。1つのプレーにある駆け引きや、選手の心理、そんなことを考えながら見ていると楽しくなってきます。

診療放射線技師として

MRIに配属されたのは技師7年目の時でした。運よく大学病院という整った環境で仕事をさせていただいたので、それまでに全てのモダリティを経験してCTを中心に仕事をしていました。ただMRIでは半年経っても、一人で自信をもって検査を進めることができませんでした。何より同じ装置を使って先輩が出力する画像との差に愕然とする毎日でした。そこであの時と同じ炎が沸々と燃え上がってきました。

それからはひたすら教科書を読むと同時に、いろいろな研究会や学会に出かけて行っては自分が知らないことをたくさんの先人たちに聞いて回りました。みなさん学会場で質問するのが怖いとか、恥ずかしいと思っていませんか?それははっきり間違いです。教科書が買えるような参加費を払って、疑問の一つも解決せずに帰るのは損です。空気が読めてない発言をしたとしても、そんなことを気にするのはあなたの仕事ではありません。そんなことはよく理解した大人が処理してくれます。あなたは知識の利益を追求すればいいだけです。

3年くらい経つと優秀な後輩達が配属されてきました。毎日遅くまで実験して、侃々諤々と議論しました。実際に自分で確かめ、教科書や論文に書いていることが本当に正しいのかを自分で確認することは重要です。違う結果が得られたら、なぜその結果になったのか、それを考察、検証するのも楽しい作業です。また一人ではよい考えもなかなか生まれませんが、一緒に考えてくれる仲間がいることも重要です。心が折れそうなときでもまた頑張ろうという支えになってくれます。

最近では病院実習に来る学生さんに口頭でいろいろと質問をして考えて貰っています。自分の経験に基づいて、理解していると思うことが実は理解できていないということがよくあるからです。初めのころ教科書を何度も繰り返して読むことになるのはこのためです。自分が知らないことに気が付くのが理解への第一歩です。あとは自分で調べて理解することが大事です。理解している人の言葉は背景にある知識にまでは言葉が足りていません。その知識を一つずつ埋めながら理解していくしかありません。

それと「知らない言葉を堂々と使ってる」というのが口癖です。ADCやMPGなど略語をただ暗記してしまう学生が多いからです。「Aは何?」「Dは何?」と必ず質問します。言葉の本当の意味を理解していれば覚える必要はないからです。実際には知らない言葉は覚える必要がありますが、意味のないアルファベットの羅列を覚えるより負荷は小さくなります。略語は意味を理解した同志が時短のために使う言葉であって、意味を知らない人が使って良い訳がありません。言葉の意味を知るだけで解決できることがあるので、言葉は大事にして欲しいと伝えています。

このようにMRIへの理解を進めてきました。難解な物理原理に成り立っている上、日進月歩と進化する技術の理解に苦慮する毎日ですが、新しい知識を得るのは楽しいことです。

終わりに

じじいの説教じみた話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。「RADっていいとも」には、たくさん楽しいお話が書かれているのでそちらも是非ともご一読ください。

また「私も書いてみたい」という方がおられましたらご連絡ください。今後ともみなさまのお役に立つようなことを発信していきたいと考えておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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Nishikawa Kei九州大学病院 医療技術部 放射線部門

投稿者プロフィール

長崎県五島市出身、九州大学医療技術短期大学部卒
同じ装置を使って、同じ時間をかけて先輩が撮る画像と差がある「なんでや!」と打ちひしがれた時から、MRIの世界に迷い込んでしまいました。知らないことを見つけて解決していくのは楽しいことですね。
趣味はスポーツ全般、プレイから観戦まで。

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