RADっていいとも 素敵な仲間とのペンリレー (68)伊藤 隆一

はじめに

はじめまして、東京慈恵会医科大学附属病院の伊藤 隆一(いとう りゅういち)と申します。
編集委員である関東中央病院 坂井香澄さんよりバトンをいただきました。
坂井香澄さんとは東京MAGNETOM研究会でご一緒させていただいており大変お世話になっております。
MRI界隈において著名な先人達がズラリと並びバトンを繋いでいる本コラムに、馬の骨の私が寄稿の機会をいただけましたこと、うれしく思う反面、震えております。
お行儀よく、先鋭化した文書を心がけました。稚拙ではありますがお付き合いください。

Fig.1 東京MAGNETOM研究会の方々と(中央指差ししているのが筆者)

放浪の果てに〜”尊師”北川との出会い〜

平成元年(1989)4月30日生まれの35歳
千葉の辺境から出て、北里大学を卒業し、慶應義塾大学病院に4年間勤め、路頭の瀬戸際、東京慈恵会医科大学附属病院に入職し、9年目の現在に至ります。
慶應時代最終年にMRIと出会い、その趣深さに虜になり、慈恵3年目、開眼の時は現れました。
MRI業界の”ジャ●ーさん”こと北川久さんとの出会いです。
「youはMRIに興味あるんだって?」それが初めての会話でした。

2年後、共に仕事をするようになり、MRIに対する知識・技術・熱量、そして志と愛に圧倒されます。
気づけば学会発表を重ね、3年前に認定取得、東京MAGNETOM研究会の世話人、JSRTでの秋季学術大会や東京支部学術大会の座長とキャリアを積むことができました。
また、尊師の導きのもと、多くのガチ勢(本気で取り組まれている人達)との”縁”を得ることもできました。圧倒的感謝です。今でもそれは変わらず、日々尊師に足を向けて寝ないよう心がけています。

Fig.2 尊師との一幕(左手前が筆者、右奥が”尊師”北川)

人生というもの

少々私という人間について語ります。
繰り返しますが自分の誕生日は”平成元年4月30日”
それは選ばれた子供を意味しました。
平成が始まった年に産声を上げ、青春が終わる30歳の誕生日、平成は最後の日となったのです。
これは何か特別なことをしなければならない。私は一人、日本を発ちました。
目指したのはインド、ウッタル・プラデーシュ州、ヴァーラーナシー、ガンジス川です。

Fig.3 ヴァーラーナシーにて(今や懐かしい自撮り棒と何故か集まってきた名も知らぬインド人たち)

人生とは、自分探しの旅路です。
日本との時差3時間30分
ガンジス川へ船を出し、見つめる夕日は令和の夜明けを告げるものでした。
ふと心に浮かぶものは、、、ありません。
奇天烈な日本人が物思いに耽っている中、船頭をしてくれている17歳のインド人青年がサムスンのスマホでテレビ通話を始めて大騒ぎ。どうやら3人いる彼女の中の1人と話しているようでした。
「人生まだ30年、何も思い浮かばなくてもいいじゃあないか」
それが旅から得た一つの答えでした。
もし、話の詳細が気になる方がいましたら声をかけてください。時間の許す限り語ります。いませんかね。

Fig.4 ガンジス川にて(悟りを開いた筆者)

MRIへの情熱

私はMRI検査を生業としていて、2つの面があると思っています。ひとつは限られた時間で診療上有用な画像を撮像し、提供する”仕事の面”。もうひとつはさまざまな要素を創意工夫し、よりよい画像を導き出す”クリエーターの面”です。
この場合、作品をMRI画像、受け手を患者さんとするならば、診断目的(シナリオ)、装置やコイルの選択肢(世界観)、様々なシーケンス(役者)があり、そのどれにもたくさんのパラメータがある(演出)。患者さんへの接遇は映画館の仕立てといったところでしょうか。受け手によって”刺さる”作品やその組み合わせは異なり、完璧で画一的な正解はなく、探求の日々である。
私がMRIにのめり込んだ一番の理由がこのクリエーターであることでした。
そして、現在も探求心は尽きることなく、日々進化を続けるMRIに没頭し続けています。また、この魅力を多くの後輩たちに気づいてもらえるよう、内外問わず積極的に活動していけたらと思っています。
今後とも学会などで見かけられましたら気軽に声をかけていただけますと幸いです。

Fig.5 学会後の一幕(左:JSMRM2023[軽井沢のロッジ]にて、右:JSMRM2024[幕張の会場]にて)

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kasumi sakai公立学校共済組合 関東中央病院 放射線科

投稿者プロフィール

東京MAGNETOM研究会、東京MR励起会で世話人をさせていただいています。撮像条件や安全管理など学ぶことが尽きないところもMRIの魅力だと思っています。まだまだMRI沼から抜け出せそうにありません。

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