RSNA2014 その4 超 大衝撃 – GEのMAGiCとは?

大変です! MRIが変わります!

とにかくみなさん、大変です! MRIが根底からくつがえる、そんな内容が、今回GEが発表した「MAGiC」です。

MAGiC ー  One and Done

One and Done ー 1回すれば、すべて終わり。 ーそうです。MAGiCはそんなコンセプトなんです。MAGiCは、”MAGnetic resonance image Compilation”
(「コンピレーション」は編集(すること/したもの)のこと)の略です。シークエンスは割と秘密みたいで、はっきりとは教えてもらえないのですが、少なくともMulti-echoのFSEです。

皆さんは、T1,T2計算画像のことを知っていますか。たとえば、TE20ms, TE50ms, TE100msなどの、異なるエコーの画像を得たら、その信号の変化から、T2値を計算できますよね。また、TRを変えて撮像すると、今度はT1値を計算できます。2つとも行えば、T1もT2もわかるのですから(またプロトン密度もわかるので)、すべてのコントラストを作ることができる、というアイデアに基づいたものです。従来のT1、T2計算画像に使うMulti-echo, Multi-TRのシークエンスはそれなりに時間がかかったのですが(例えば10分以上)、MAGiCでは撮像時間が5分あまりに短縮されていて、さらに、撮像後に、リアルタイムのコントラスト変化をコンソール上で見たり、プリセットメニューで複数のコントラスト画像を作れるのです。

まずは、百聞は一見に如かず、TRとTEを自由に変化させて、T1強調・T2強調・PD強調(そして、どの強調でもなくSNRの低い領域)を自由に得るところをみていただきましょう。これは本当に衝撃です。また、画像の明るさが変化してしまいますから、自動Windowの制御が入っていて、違和感なくコントラストだけ変化させるように作られているようです。そしてなんと、IRパルスも(仮想的に)入れられて、TI値も変えられるんです。つまり、T1WI、T2WI、PDWI、FLAIR、IR(as heavily T1W)などが、たった1回の撮像から後処理で作れるんです!!!

ちなみに、Phase sensitive IRReal IR=絶対値表示でなくて、折り返りのないheavily T1WI)も作れるんですよ。

あとでPhilipsブースに行ったのですが、この技術は「Synthetic MR」(合成MR)と呼ばれていて、Philipsでもやっているんだとのことでした(下はフィリップスの画像)

スクリーンショット 2014-12-01 14.40.12・・・ということは皆さん、いろいろとdrawbackはあるにせよ、近未来の、動かないところ(例えば脳)の撮影は、たぶんどの会社のMR装置でも、Synthetic MRの撮影1回でほとんどが済んでしまい、あとはDWIとかMRAとかだけになるってことです。いやーとにかく感動しました。こういった考えが進むと、脂肪抑制のあり・なしを同時に撮影するDIXONとの組み合せとか、動く領域も対象にできるPROPELLERとの組み合わせも考えられますよね。いやはや、びっくりしました。

(2014年12月1日追加: その後、SyMRI社の開発したSynthetic MRというのがオリジナルであることが分かりました。これまたビックリ![その9 Synthetic MR]

「臨床がガラっと変わる」という意味ではFSE以来の衝撃

これはね、本当に大ニュースだと思うんです。「臨床がガラっと変わる」という意味では高速スピンエコー(FSE)法 出現以来の衝撃です。FSEは、1回の撮像で1つのエコー(TE)しか得られなかった時代に、複数エコー(TE)が得られるようになり、撮像時間が極端に短くなりました。このため、矢状断や冠状断のT2WIを自由に追加できるようになりました。それから20年余りを経て、今までは1回の撮像で1つのコントラストしか得られなかった時代でしたが、多数の(無数の、任意の強調度の、TIも含んだ)コントラストを得ることができるようになるわけですね。5年後の臨床はどんなふうになっているでしょうか。

MAGiC EYE ゲーム

MAGiCで得られる画像を元にしたこんなゲームが。GEのブースにあるので挑戦してみてください! まず同じ画像(頭尾方向のレベル)をあわせ、次に右側のパネルを走査して、同じコントラストにします。たぶんITEMでもこれは出ますね! スマホゲームとかも作れそう。

スクリーンショット 2014-12-13 16.56.46

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tarorin

tarorin東海大学工学部 医用生体工学科 教授

投稿者プロフィール

MRIの撮像・フィルム焼き・患者導入に従事していた経験を活かし、企・技・医の中間の立ち位置を大切にしています。モットーは研究結果を中立的に判断すること、皆で研究成果を愉しむことです。

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