「題名:こんな面白い世界はない!」
草加市立病院の佐藤広崇さんよりバトンを受け取りました、東千葉メディカルセンターの坂井上之です。診療放射線技師16年目です。佐藤さんとはMRIを始めた頃に県外のMRI研究会でよく会い、互いに「千葉でMRIを頑張っている若手」という感じで意識していたと思います。当時は千葉県でMRIを勉強する研究会やユーザー会が少なく、県外で学ぶしかありませんでした。その反動もあってか佐藤さんとともに千葉でMRIの基礎を学べる研究会(C-MAC)を立ち上げ、今でも切磋琢磨しています。」
「MRIが教えてくれたこと」
MRI歴は13年で、SIEMENS Impact 1.0T、Avanto 1.5T、Verio 3.0T、PHILIPS Ingenia 1.5T、Ingenia CX3.0T と歴代の様々な機種とともに歩んできました。どの機種も時代を代表する名機で、機種の進歩と自分のMRIへの理解がシンクロしているように感じるから不思議です。MRIの一番好きな概念は「トレードオフ」です。何かを得ようとすると何かが犠牲になるという概念が、まるで人生のようで面白いです。いつも良い画質を求めて挑戦して、失敗したら「あ、人生そんなに甘くないよね」って自分に言い聞かせています。笑
でもスウィートスポットが見つかった時の感動のために基礎検討はやめられません。
またMRIは多くのことを教えてくれました。一番は「人とのつながりの大切さ」です。自施設にとどまらず、外の世界に出てみると、研究熱心な人、努力家、プレゼンが上手い人、付き合いが上手い人、場をまとめるのが上手い人など、様々な人に出会えました。
今まで出会ったすべての人に刺激を受けて、自分を高めてくれました。同じ想いの人はきっと共鳴しあって、成長するのでしょうね。自分の向いている方向が正しいのかを客観的に確認するためにも外に出向くことは重要です。やはり井の中の蛙にはなってはダメですね!
「プレゼン力」
ここ数年、講演のスライド作りの際に意識していることがあります。それは「伝わるスライド」です。スライドやプレゼンは伝わらないと意味がない。そのために大切だと思うのは「シンプルプレゼン」と「お土産論」です。「シンプルプレゼン」はその名の通り、スライドの文字を切り詰めて、本当に伝えたいことは何なのか?何度も自問自答しながら、必要最小限の文字数に留めることです。これを教えてくれたのは「あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!」という書籍です。読んだことがない方は是非一度読んでほしい。スライドの作り方がガラッと変わると思います。またもう一つの「お土産論」は私が尊敬している方から教えていただいた考え方です。「スライドの中には持って帰れる知識やヒントがないとつまらない」「参加者のレベルはそれぞれだから、色々なレベルでお土産となる話を盛り込む必要がある」このような話を聞いた時、鳥肌が立ったのを覚えています。
このようにして、様々な人と出会い、多くのことを学びながら成長してきました。MRI に限らず放射線技師の仕事は、様々な人と交流して刺激を受け合い、患者さんの治療を左右する写真一枚に魂を込めて一喜一憂する。「この仕事は面白い!」そう思えるのは天職なのかもしれませんね。今後は若い世代へ自分が持っている知識や意識、また技術を伝えていきたいと思います。
Deputy Editor’s Comments
長らく”RADっていいとも”担当させていただきました副編集長の横浜栄共済病院の高橋です。今回の坂井さまの回で、私は担当ははずれます。自分も含め34名の方に自己紹介を含めて、MRIとの出会い、MRIへの思い、MRIとは無関係な趣味やプライベートなことなど、大変興味深く拝見させていただきました。また原稿から皆様の人間性を想像していました。長い間ありがとうございました。”RADっていいとも”はこれで終わりではありません。同じく副編集長の、聖霊メモリアル病院の石森文朗さんが引き続きこのコーナーを担当してくれます。新しい切り口で、”RADっていいとも”を紹介してくださるのではないかと思います。皆さま、宜しくお願いします。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。