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FSE(ファーストスピンエコー)についてー日立編
- 2014/11/21
- ミニレクチャー, 富士フイルム(旧日立)
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日立のMRIのFSE(ファーストスピンエコー)について解説します。
FSEは一番使用頻度が高いシーケンス。しっかりと基本から理解していきましょう。パラメータの名称は異なりますが、他メーカーの装置をお使いの方でもFSE(TSE)の基本は同じなので自施設の装置と比べてみることも勉強になりますよ。
日立のMRIのFSEの特徴
日立のMRI装置のFSEはTEを直接入力することができません。
Echo Alloc.(=エコー信号の配列)、E.Factor(=エコートレイン数)、Inter E.Time(=エコースペース)、Echo Shift(=エコーシフト)、から自動的に算出されます。
これらのパラメータを変えることでTEを変更します。だからスムーズにTEを変更する為にはFSE法とそのパラメータについて少し知っておかなければならないことがあります。
それでは1つ1つ見ていきましょう。
なお、日立の場合、”Echo” を”E.”と表すことが多いです。読みとしては、”E.Factor”は「エコーファクター」、”Inter E. Time”は「インターエコータイム」として流通しています。また、Echo Alloc.の”Alloc.”は”Allocation”(配列)のことです。
FSEとは
FSEは90°パルスの後に180°パルスを複数回印加して複数のエコーを収得するシーケンスです。印加する180°パルスの数(収得するエコーの数)をE.Factor、収集するエコーの間隔を
Inter E.Timeといいます。
Inter E.Timeを短くすれば動きに強くなり、TEが短くなります。(この結果、T2 blurringが減少します。また収集時間が短くなるので、S/Nは低下します)
FSEのTEは実効TE
FSEのTEは、他社と同様に、実効TEで表します。
FSEは一回の励起で複数のエコーを収得するシーケンスなので当然それぞれのエコーを収得するまでの時間(エコータイム)が異なります。そこでFSEではk−spaceの中心を埋めるエコーのエコータイムを実効TEとします。なぜかというとk−spaceの中心を埋めるエコーが画像のコントラストを決定するからです。
Echo Alloc.とは
Echo Alloc.とはk−space上のエコーの配列の仕方のことです。
Echo Alloc.がCentricの場合は最初のエコーがk−spaceの中心を埋めるので実効TEは最初のエコーのエコー時間、Sequentialの場合は真ん中のエコーがk−spaceの中心を埋めるので実効TEは真ん中のエコーのエコー時間になります。
(※日立のFSEはE.Factorが偶数の場合は一つ少ない奇数のE.Factor の実効TEと同じになります)
実効TEを算出してみよう
それでは実際に2つの条件の実効TEを算出してみましょう。
・Echo Alloc.がCentric、Factorが3、Inter E.Timeが10msの時
→1番目のエコーがk−spaceの中心を埋めるのでTEは10×1=10msになります。
・Echo Alloc.がSequential、Factorが19、Inter E.Timeが10msの時
→10番目のエコーがk−spaceの中心を埋めるのでTEは10×10=100msになります。
ポイント!
- Echo Alloc.がCentricの場合 実効TE=Inter E.Time
- Sequentialの場合 実効TE=E.Factorの2分の1(小数点切り上げ)×Inter E.Time
Echo Shift(エコーシフト)とは
Echo Shiftを使うとk−spaceの中心を埋めるエコーをずらすことができます。これによりTEを変更することができます。例えば上の条件2)では10番目のエコーがk−spaceの中心でしたがEcho Shift+1では9番目のエコーがk−spaceの中心になりTEは90msec、Echo Shift−1では11番目のエコーがk−spaceの中心になりTEは110msecになります。
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