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脳血管MRA – 撮影範囲について
- 2014/10/27
- Any Modality, ミニレクチャー
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勉強会で「脳MRI/MRA撮影法」のお話をするとき、冒頭に必ず入れる話題があるのですが、それは脳血管MRAの撮像範囲についてです。紹介患者さんの持参CDやフィルムで他院が撮影する脳血管MRAを見る機会がよくあるのですが、Willis動脈輪はキープされているものの、ACAやMCAの末梢部が切れてしまっていたり、VA系が写ってない事がしばしばあります。例えば脳動脈瘤のfollow up患者さんであることが事前に分かっているなら問題は少ない(「問題ない」とは言いません)ですが、スクリーニングのMRA検査である場合は、これから提示する病変を見逃してしまう恐れがあります。まず当院のMRA撮影範囲をお見せします。
ポイントは「前大脳動脈ACAの末梢部(特にA3以降)を入れる」「VAは頭蓋頚椎移行部(できれば環椎まで)カバーする」、この2つだけです。撮影位置の上端は、前大脳動脈は脳梁周囲動脈だけの分岐、脳梁辺縁動脈を含む分岐の2通りがありますので、前者の場合は撮影領域に脳梁が含まれていれば問題ないですが、後者のvariationも考慮してやや多めに入れるのがコツです。下端は環椎をターゲットにするか、分かりにくい場合は頭蓋頚椎移行部のやや下あたりとすれば良いでしょう。
- 前大脳動脈瘤
- 椎骨動脈瘤(椎骨動脈解離: VAD)
昔の装置、例えば最短TR=50msだったり、パラレルイメージングがなかった時代は、長い撮影時間や撮影枚数自体に制限がかかったり、などの事情により脳動脈瘤好発部位のWillis動脈輪さえキープすれば良し、とされてきましたが、最近の装置では多くの枚数を短時間に撮れるようになってますので、ケチらず広めに撮影してあげましょう。ちなみに当院での撮影時間は3m10s~4m00sの範囲です。
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