昨年に引き続き、今年もGEヘルスケアブースを取材してきました。前回は”SIGNA Pioneer”の新製品情報をお知らせしましたが、今回は新製品の登場やソフトウェアのバージョンアップにより、様々な新しいアプリケーションが搭載されました。では早速、Signa Architectの外観をご紹介いたします。
注)画像の撮影ならびに当サイトへの掲載につきましては、GE様より特別な許可を頂いてます。
SIGNA Architectの外観
SIGNA Architectの外観(モックアップ)です。テーブルの脱着が可能で、従来SIGNAの脱着型テーブルよりひとまわり大きくなりましたが、走行や脱着に関する操作ペダルの数が増え、取り回しが容易になりました。
こちらはテーブル(ガントリから見て遠位部側の下部)に新しく装着されたシーソー型構造のペダルです。従来のフリー走行か直進方向のみの走行かを選択することができます。夜間など人手が足りないときに、一人でテーブル移動しなきゃいけない時に便利かもしれません。
足下の脱着/アップダウンペダル群も、ひとつ増えて計5つになりました(何のペダルが増えたのか、聞いたのですが忘れてしまいました、すいません)。
テーブル移動用のグリップも改良され、折りたたみ可能なバー構造になりました。側面のボタンを押すと、下方向に折りたたまれます。上部にはコイルコネクタが付いて、こちら側にヘッドコイルを載せることもできます。灰色のクッションをはがすと、ヘッドコイルを搭載できるスペースが設置されてます。
新しいアプリケーションと機能
今回の大きな変更点は、圧縮センシングのアプリケーションHyper Senseがいよいよ製品化され、isotropic 3D imagingの”CUBE”と組み合わせることで、スキャン時間を短縮または従来の撮影時間で高分解画像を得られるようになりました。圧縮センシングはCTの画像再構成においては、すでにポピュラーとなっておりますが、MRIの3Dデータに逐次近似を持ち込む場合はコンピューター上での膨大な計算が必要となるのがネックとなっておりました。新たにリリースされたハードウェア上では、秒間62,000枚という驚異的な早さでのリコンストラクションが可能で、ほとんどタイムラグを感じることなく撮影後に画像表示が行われるそうです。ルーチンのMRAなら、ほんの数秒で計算されるとのことです、恐るべし。
他には、DWIおよびDTI撮像時に、1度のRF照射で複数断面を同時励起することで、撮像時間の大幅な短縮が可能なHyperBandという新しい機能を用いると、全脳のボリュームDWIは3分以内で収集可能、25軸の脳テンソル画像も2分弱で撮影できます。全身のDWI(DWIBS)にも応用できるかもしれません。
また、3D Volume Imagingでの局所選択が可能になり、より短い時間での撮像を実現するHyperCubeは、Cube撮影時に関心領域を局所励起する技術で、不要な部位をカットすることでSNRを維持したまま、折り返しなしに撮影時間を短縮することができます。
心臓のシネMR撮影においても、複数の励起により一度の息止めでのマルチ撮影が可能となりました。
今回よりPROPELLERでのT1強調画像が撮影可能となりました(従来はT1-FLAIRのみ)。整形外科領域での応用についてのデモ画像も展示されてました(画像なし)。静音化技術はSilent Scan2.0にバージョンアップされ、対応シーケンスが増えました。下記はSilent技術によるMRA画像ですが、静音化以外にもこのようなメリットがあるところが面白いですね。
以上、簡単ではありますが、GE製MRI装置の新アプリケーションについて報告させて頂きました。この原稿を書く際に、昨年の自分の記事を見直してみたのですが、たったの1年での進化の早さにビックリしてます。はたして来年のITEMではどのようなサプライズがあるのでしょうか?
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