固定観念を変えよう!!顎関節撮影編 〜表在コイルの利用

背景

当院では当初、顎関節撮影を行うのに、HNSCoil(頭部脊椎専用コイル)を使用していました。

しかし、3T装置を使用しているのにもかかわらず、1.5T装置を使用した方が高画質に撮影できることもたびたび経験していました。3T装置の良さを引きせないでいたのです。

図1

そこで、整形領域など関節撮影で使用するGEM Flex Coil(表在コイル)を使用して撮影できるかどうか、検討をおこないました。使用装置は、DISCOVERY 750W (3T)です。

図2

 

コイル固定が困難

ところが、いざGEM Flex Coilを使用して顎関節を撮影しようとすると、固定が難しいことに気づきました。専用の固定具はありませんから、ホームセンターまで自作用の材料を買いに行くことも考えましたが、撮影室内に何かないかな?と見回したところ、乳腺MRIの撮影で使用しているスポンジが目に留まりました。これは患者の頭部を固定する支持台です。また利用を考えた部分は、通常患者の腕を固定する用途で使うものです。

図3

固定手順

GEM Flex Coilとスポンジどのように組み合わせるか説明します。

①GEM Flex M Coilを専用クッションに固定します。

図4

②先に説明した、マンモコイル用スポンジでコイルを挟み込みます。

図5

この時、マンモコイル用スポンジを裏返しに使用すると、ケーブルがうまく収納できます。(マンモコイル用スポンジにある凹みで、ケーブルを上手く通すことが可能になるからです)

③バンドで固定します。

図6

④最終ポジショニングの状態です。これでできあがりです。

図7

⑤撮影画像はこちらです。

改善前:HNSコイルでの撮影

TMJ(HNS Coil使用) PDWIPDWI

TMJ(HNS Coil使用) T2WIT2WI

改善後:GEM Flex M Coilでの撮影

TMJ(GEM Flex Coil使用) PDWI 1PDWI

 

TMJ(GEM Flex Coil使用) T2WIT2WI

 

改善後のほうが、高いSNで撮影できていることがわかります。

機種は限られていますが是非試していただけたらと思います。顎関節以外でも応用可能です。撮影部位に対して最適なCoilの選択は画質を大きく左右する一因です。また、固定に関しても同じで、皆さんの施設でも撮影室内を見渡してもらうと思わぬところに固定の組み合わせが発見できるかもしれません。

ライター紹介

自画像

公立甲賀病院 診療放射線課 中村智洋

MRIに携わって10年目になります。MRIは、撮り手によって画像の良し悪しが大きく変化するモダリティだと思います。それが日々の業務で怖くもあり楽しくもあります。

これからのMRI検査を楽しく出来るよう、知識・技術を高めて行きたいと思います。

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