Body MRI技術研究会報告 / Chief Editor’s Voice

Body MRI技術研究会報告

第3回Body MRI技術研究会 赤坂で開催されました。参加人数は62名でした。ご参加いただきました皆様ありがとうございました。会場設営また製品紹介をしていただきましたGEヘルスケアの皆様に改めて御礼申し上げます。アンケートに関してご協力いただきまして誠にありがとうございました。

本研究会にて、”あまり参考にならなかった”は1件もなく参加された方々に満足いただいたたものと思います。ありがとうございました。基礎編は世話人の先生方にご講演いただきました。”DWIBSとは”というところから脂肪抑制や歪み(ひずみ)そして最新のEPIを使わないDWIBSまで取り上げました。世話人の先生方のご講演はアンケートによると7割の方が”とてもよかった”と評価くださいました。これは企画したものにとってとても嬉しい結果です。

続いて、ユーザ発表の講演です。シーメンス、フィリップス、キヤノンは各々の施設の取り組みを紹介していただきました。GEユーザはDWIBSの標準化に向けて、WW, WL設定の標準化ということで2名の講師の方に各々の考え方を紹介いただきました。冒頭の北川世話人も同様にWW, WLの設定をとりあげていただきました。ノイエスを含むものもあるのでご紹介は控えさせていただきます。

最後はAIを利用した臨床応用ということで平原世話人にいろいろ”やり方”を教えていただきました。とても面白かったとコメントをいただきました。時間が短かかったということもあるので、また取り上げてみたいと思います。次回も来年の今頃を考えています。是非ご参加お待ちしてます。

 

Chief Editor’s Voice〜

第59回日本核医学学会 教育講演に際して

[2019/10/27]

今週は日本核医学学会総会(松山)でお話しします(2019/11/01金曜日)。MRIの話を、フィールドの違う核医学の総会で、それも教育講演でお招きいただいたのです。もちろん光栄に違いのですが、患者さんの希望に応えられず悩んでいる私にとって、これがどんなにうれしいことか、言葉ではちょっと表わせないぐらいです。

核医学検査の中でとりわけ重要なFDG-PETは、がんのステージング等に欠くことのできない検査です。この決定的な画像診断が世に出たおかげで、悪性腫瘍の分布を正確に把握できるようになり、どれだけ今まで多くの患者さんを救ってきたか、その功績は計り知れません。もしこれが毎月のように使えるなら、何の問題もないのです。

しかし現実には、3割負担でも3万円を支払う必要があります。かなり高額でもあるので、PETで経過観察を頻繁に行うことは許されていません(総額としては10万円ぐらいかかるため)。そのため、2回めのPETを受けることはとてもハードルが高いです。そんな背景もあり、「DWIBSっていいんじゃない?」という風に考えてくださる先生がじわじわと増えてきています。

「MRI」なのに、造影CT(11000円程度)の半額近い、6000円台で受けられる経過観察手段として、患者さんには、ものすごく知識が広まっているのですが、やってくださる施設が圧倒的に少なく、要望に応えることができず、私個人も悩んでいます。自分でクリニックを開き、みんなにしてあげたいと真剣に考えるほどです。試算したところオペレーションには月1000万円ほど必要で、篤志家の出現を待たなくてはなりません。

「共存」というか、「リレー」のようにしてPETとDWIBSを使うと、患者さんにものすごい恩恵があります。DWIBSは2ヶ月に一度撮影することができます。安価だからです。そして適時治療介入がすぐにできます。悪化したらすぐに対策を打てるのです。しかし、なぜか「PET vs DWIBS」という、一回きりの対決の図式で語られることが多いのです。また、「DWIBSは肺の結節が映らないよ」とか、誤解されている先生方もまだまだ相当に多いです。

どれだけの方が聞きに来てくださるのかわかりませんが、2〜3ヶ月毎に患者さんを見守り、経過を見守るための道具として、「初回のPET撮影をしたら、経過観察としてこんな選択肢もあります」ということを、ほんわか伝えてこれたらと思っています。

このために、片平和博先生から、片平先生が毎年自分自身に対して行っているDWIBS検診とか、リンパ節は2回以上撮影すればメタかどうかわかるとか、そういったスライドをいただきました。また焼津市立総合病院の宮崎研一さんから、PETのない病院では経営にプラスとなり、実に700万円の収支改善がなされたという実績スライドもいただきました。

それにしても、お招きをいただき、本当にありがたいです。どうしてなのか、まだ僕自身もわかっていなのですが、企画してくださった先生に、深く深く感謝申し上げます。座長の香川大学の山本由佳先生にお目にかかるのが楽しみです。

なお、道程の途中の岡山で、山陽新聞がインタビューしてくださるそうで、また木曜(2019/10/31)の晩に今治市医師会講演を担当させていただきます(こちらは乳がん検診)。医師会の講演ですが、会員でなくても、医療関係者の聴講は歓迎とのことです。近くの方、よろしければお越しください。

第59回日本核医学学会 教育講演に際して

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

MRIfan.netからのメルマガを受け取る!

※以下ドメインメールアドレスはプロバイダのフィルタが厳しく、到達率が低下しております。
確実なメール受信の為に、GmailもしくはYahooアドレスでの登録を推奨しております。

@icloud.com @me.com @mac.com @hotmail.com

*メールアドレス
*お名前(姓)
*種別

おすすめ記事

  1. インナービジョン編集部(三橋 信宏(みつはし のぶひろ)編集長)様のご厚意で、2001年のインナービ…
  2. はじめに「そのMRCP、もう少し綺麗にできませんか?」 みなさまのご施設でも呼吸同期MRI、…
  3. はじめまして。 MRIfan.netの新編集委員、北九州市立医療センターの長島と申します。 今回は…
  4. MRIfan.net編集委員を務めさせていただいている等潤病院の鈴木大介です。 アキレス腱の…
  5. <新企画>「撮像のワンポイントアドバイス」 ★〜★★★までの難易度を設定し、M…

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

Facebookもチェック!

話題をチェック!

  1. 2019-1-12

    ペースメーカ本体(ジェネレーター)の型番だけで、MRIの安全性を判断しないでください!!

    心臓ペースメーカの構造って? 一口に心臓ペースメーカといっても、下図に示すようにペースメーカ本体(…

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る