皆さま、こんにちは。上尾中央総合病院の石川です。
今年もITEM2023でGEブースを取材させていただきましたので、ご報告いたします。
GEのイメージカラーが今回から紫色になっていました。
これは『Compassion Purple』という紫色だそうです。
GEブースにはモックアップ?(ボアはイラストでしたが、、、)として新製品のSIGNA Heroが展示されていました。こちらはAIR Recon DL標準搭載でヘリウム量は従来の4割程度となっています。最近ヘリウム価格が高騰していますので、ヘリウム量が少ないのは嬉しいですね。AIR CoilのラインナップもS、M、Lの3種類となり、従来に比べて撮像範囲に合わせたフレキシブルな選択が可能となりました。フットペダルも改良され、より使い易く進化しています。
今回の目玉は何といってもAIR Recon DLの進化です。Version upされ、3D、Propeller、また、2Dでは新たにFSE Flex、DTI、CartiGram、Cardiac T1 mapping、SSH PS MDE w/RTに併用可能となりました。
AIR Recon DL 3D
3DでAIR Recon DLを併用する事により、面内だけでなくZ軸方向の鮮鋭度が向上します。結果としてMPR画像全体としての鮮鋭度も向上し、とても綺麗なReformat画像となっていました。さすがAIと感動させていただきました。3Dで撮像することにより検査終了後でも任意の断面でReformatできるので、とても重宝しそうです。ただし、TOFに関しては、今回は適応外となっています。
AIR Recon DL Propeller
DWI Propellerにも適応可能となりました。従来、SEベースでのDWIはSNRが低く、良好な画像を得るにはある程度の撮像時間が必要でしたが、AIの登場によりGEでもSEベースの良好なDWI画像が取得可能となりました。これにより磁場不均一の影響を低減する事が可能となり、特にクリッピング後の磁化率アーチファクトなどの影響を低減できるようになりました。
撮像時間や分解能などは、まだまだEPIと同様にはなりませんが、歪みの少ないDWIはとても魅力的なので、是非とも今後の発展に期待したいですね。
また、DTIにAIR Recon DLが使用できるようになり、より詳細なTensor画像が取得できるようになりました。特に1.5TでのDTIに効果が大きそうです。
その他にも
心臓のT1 mappingにもAIR Recon DLが併用可能となりました。これによりSDが小さくなりT1値の変動が減少します。定量評価の精度の向上に寄与できます。
また、従来のMOLLI法だけではなく、Saturation Recovery法であるSMART1にもAIR Recon DLが使用できるようになりました。SMART1はSNRが低いことが欠点でしたが、AIR Recon DLによりSNRが向上しますので、T1mapの選択肢が広がる可能性がありますね。
PS-MDEに呼吸同期を取り入れることにより、MDE撮像の選択肢が増えました。これにより息止め困難な患者様でも良好なMDE画像が取得できるようになり、診断能向上に期待が持てます。
おわりに
今回、3D、Propeller、FSE FlexにもAIR Recon DLが使用可能となり、ほとんどの撮像にDLRが使用できるようになりました。SNRの低い画像にDLRが使用できることによって、短時間で高画質な画像が取得できると期待しています。
また、Flex(2Point-Dixon)にもDLRが使用できるようになったため、磁場不均一領域での脂肪抑制T1WIにも高画質化が期待できそうです。
AI技術の発展は、まだまだこれからと思っていますので、更なる飛躍を期待しています。
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