当院の救急外来では、めまい、吐き気、脱力、しびれ、構音障害、感覚障害などの神経症状から脳梗塞を疑うとき、積極的にMRI検査が選択される。
下の図は、右上肢感覚障害、右上下肢麻痺(極軽度)にて診察上、脳幹梗塞を疑われたためDWI撮像を行った症例です。しかし、画像所見はありません。

図11

 

このように<視覚的に認識できない>症例に対し、n.pとして検査を終わらせるか、プラス@を行うかにより治療の方針が変わることもあります。

Direct Coronal DWI を追加する? Work Stationで横断像から冠状断を再構成する?

下図は上図と同一患者のDirect Coronal DWIです。
図12

横断像では描出できなかった病変部が高信号(ADC低信号)として描出されています。

当院の頭部 DWIについて

当院では頭部DWIは30秒ほどで行っています。また全脳をカバーするためスライス厚を6mmにしています。今回の症例は小病変のためパーシャルボリューム効果の影響により描出不良となったと考えます。
冠状断像も同じ撮像時間ですが、特に脳幹部をターゲットにしている為、スライス厚を3mm(gapress)にて行います。

図6

位相方向はRLにすると歪により左右非対称になるのでFH方向にしています。またSNRなど考慮しSPEEDER factorは1.5としています。

横断像で病変が描出されない、または淡い信号の場合などは、2方向撮像することで明瞭に描出できる事が多いです。特に脳幹部のように磁化率アーチファクトの起きやすい部位や、小さい梗塞巣の検索、BAD(分枝粥腫病)の病巣範囲確認等に有用です。
DWI 2方向撮像で検出できない場合もありますが、検出感度は上がるので当院では積極的に行っています!

これは注意!冠状断もどき

横断像からの再構成で冠状断像を作成する場合もあると思いますが、当院で起きた注意すべき症例を提示します。当直時間帯の緊急検査での出来事です。MRI室にきた医師からかDWIの冠状断も撮像してほしいと要望あり。しかし、当直者はDirect Coronal DWIの撮像法を知りません。そこで、Work Stationにて冠状断を再構成し画像転送しました。

図8

 

横断像、冠状断像ともに脳幹部に高信号がみられ脳幹梗塞と診断されました。
翌日、コンサルトされた神経内科医より画像と症状が合わないとのことでもう一度検査依頼がありました。

図9

 

横断像では同部位に高信号が描出されていますがDirect Corではありません。
よく画像を見てみると。。。

図5

 

少し上側にも同じような高信号がありました。他の画像を見てみると。。。

図10

インプラント装着された方でした。
当たり前のことですが、アーチファクトのある画像を再構成してもアーチファクトは残ります。病変検索を行うにはDirect に撮像すべきです。この撮像法はSPEEDER factorと位相方向さえ間違わなければ診断に十分な画像が得られますので、自施設では緊急撮像マニュアルに撮像方法を加え、検査のもう一手としています!

Writer紹介!

聖マリアンナ医科大学東横病院

画像診断室 作野勝臣

 

 

 

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