乳房再建術 深下腹壁穿通枝皮弁法 (the best image 2014 3T部門入賞)

毎年、年の瀬の恒例行事となっている東芝の画像の祭典 ”The Best Image”。
今回は、2014年に入賞された作品をご紹介します。使用装置は、Vantage titan 3Tです。

乳房再建術・・・

近年、乳癌の外科手術において乳房の再建術を希望されるケースが増加しています。
乳房を再建するには基本的には、

  • 人工乳房を使用する方法
  • 身体の一部から皮膚、筋肉などを移植する筋皮弁法

が、あります。特に乳房の手術法により多くの皮膚、筋肉に欠損を生じた場合など、皮弁法が行われることが多くなってきています。
最近では、腹直筋の機能を保たせながら大きなサイズで採取できることから皮弁移植が多くなり、栄養血管として下腹壁動静脈穿通枝が用いられます。この穿通枝を温存させることが大切であり、当院では造影3D-CTによって下腹壁動静脈穿通枝の描出・同定を行っています。

しかし、ヨード造影剤における副作用や造影剤の費用、DPCであれば病院の負担になるなどの問題も生じます。そこで私達は非造影MRAによる下腹壁動静脈穿通枝の描出を容易に行う方法を考えました。

 撮像方法

下腹壁動脈穿通枝の同定には腹直筋や臍との関係も必要です。撮像シーケンスは、in-flow効果による血液の高信号化と3T装置ならではの高分解能で筋肉の信号が得られる,3D-FFE法を使用しました。

撮像体位は、呼吸によるモーションアーチファクトを軽減するため腹臥位での冠状断撮像としました。下図のようなポジショニングです。

図1

さらに、パラメーターはTEとFlip angleについて基礎検討を行い、血管を高信号に且つ筋肉とのコントラストも良好な最適条件を抽出し、乳房再建術の適応のある患者様に同意を得て撮像しました。

撮像画像

撮像画像を下図です。MIP画像では血管と筋肉とのコントラストも良く、良好な画像が得られました。さらにVR処理を行うことで穿通枝、腹直筋、臍との位置関係も造影3D‐CTと同等な画像を得る事が出来ました。

 

図2

ここで、実臨床での評価ですが・・・

当院では乳癌の手術は多いものの再建術を希望される患者様が未だ少なく、(田舎だから?)当撮像方法の適応があまりありません(2014年12月現在)
比較的容易な、この撮像法、再建術を多くやられている施設のみなさん是非この方法試してみてください!

writer紹介

宮本 良仁 (住友別子病院)
1997年に岐阜医療技術短期大学(現 岐阜医療科学大学)を卒業後、同年より
医療法人 住友別子病院 放射線部に所属しております。 20代からMRIに魅力を感じ、やや遠回りもしましたが現在はMRIの担当をさせてもらってます。
趣味はスポーツと酒(酔うだけ)で、汗をかいた後の一杯に悦びを感じる今日この頃です。
今回縁あってMRIfan.netに参加させて頂くことになりました宜しくお願い致します。
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