静磁場用磁石 (せいじばようじしゃく:main field magnet)

電磁石(超電導、常電導)あるいは永久磁石が用いられる。常電導磁石では通常4個の大きな空芯コイルを球状に配する構造となっているが、使用電力の大半が熱になってしまうため、コイルの内腔に水を流して冷却する。常電動磁石は最大0.2T程度の静磁場を得ることができる。超電導磁石では数Tまでの高均一磁場が得られるため、明瞭な画像が得られ、MRSやMTC、拡散画像などでも有利である。電力消費は通電時のみでよいが、超電導状態を維持するために、常に液体ヘリウムによる冷却が欠かせない。永久磁石は最大0.3T程度の静磁場を供給する。電力も液体ヘリウムも必要としないので経済的である。超電導磁石や常電導磁石を利用したMRI装置のほとんどは、静磁場方向(一般に、BoあるいはZ方向とされる)が患者の長軸方向と一致する。これに対し、永久磁石や一部の常電導磁石を利用したMRI装置(また最近発売され始めたオープン型の超電導装置)では静磁場方向は患者の長軸と直交する。(石森文朗)

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