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はじめに
岡山済生会総合病院の吉村祐樹です。
過去の記事『DWIにおけるSSGRとCHESS, STIRについて(補足説明)』において、SIEMENSの装置ではSingle-shot EPI(以下、SS-EPI)でSTIRを設定すると、Section Select Gradient Reversal(SSGR)が強制付加されるため null point が定まらないという問題点を取り上げました。
この問題に対する解決策として、以前『SSGR自由自在@SIEMENS』にて null point を意図通りに出現させる方法をご紹介しました。今回はもうひとつのアプローチとして、“Single-Shot RESOLVE”(以下、SS-RESOLVE) をご紹介したいと思います。
SS-RESOLVEとは
RESOLVEはSIEMENS独自のマルチショットEPIシーケンスです。リードアウト(周波数)方向にセグメント化を行うことで Echo spacing を短縮し、磁化率アーチファクトや歪みを大幅に低減できます。通常、セグメント数(Readout Segments)は最小3から最大31までの奇数で設定します(Fig. 1)。
セグメント数を増やすメリットとしては、前述した歪みの低減に加え、位相分散の抑制によるSNR向上や高空間分解能化が挙げられます。一方で、デメリットとしては撮像時間が延長することが挙げられます。
今回ご紹介する「SS-RESOLVE」とは、RESOLVEのセグメント数をあえて「1」に設定し、実質的にシングルショット化した撮像法のことです。
マルチショットによる歪み低減というRESOLVE本来の目的とは一見逆行する設定ですが、通常のSS-EPIシーケンスとは異なり、STIR設定時でもSSGRが強制付加されないという大きな特徴があります(※バージョン依存あり、後述)。そのため、SS-RESOLVEを用いることで狙った null point をしっかりと捉えられるようになります。
SS-RESOLVEの設定方法
それでは、通常は3以上しか選べないセグメント数を「1」に設定する裏技的手順を解説します(Fig. 2)。
- まず、Resolution – Common 内にある Base Resolution を最小値付近まで思い切って(大幅に)下げます。
- すると、Resolution – Acceleration 内にある Readout Segments で「1」が選択できるようになるため、1に設定します。
- その後、Base Resolution を目的の最適値に戻します。
手順はこれだけです。非常に簡単なステップでRESOLVEをシングルショット化することができます。
臨床画像
SS-EPIとSS-RESOLVEで撮像した全身DWIBSのMIP像を比較します(Fig. 3)。
SS-EPIと比較しても、SS-RESOLVEで遜色のない画像が得られていることがわかります。また、視覚的にもSS-RESOLVEの方が脂肪の消え残りが少ない印象を受けます。これはSSGRが付加されず、意図通りの null point を正確に捉えられているためと考えられます。
おわりに
なお、SS-RESOLVEにはシステムバージョンによる依存性があります。
今回検証を行った装置・バージョンは、MAGNETOM Skyra 3.0T(VE11E、XA30)です。他のバージョンでは、RESOLVEでSTIRを設定した場合でもSSGRが付加される仕様になっているケースがあるようですので、臨床で使用される際はご施設の装置の仕様を事前にお確かめください。
今回は全身DWIBS撮像への応用をご紹介しましたが、シーケンスデザインの違いを活かした活用法は他にもまだまだあるはずです。ぜひ各施設でお試しいただき、「こんな部位・用途にも使えた」といったアイデアやご意見をいただけますと幸甚です。
ライター紹介
吉村 祐樹(よしむら ゆうき)
岡山済生会総合病院

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