対決!!MRI対応心臓デバイス装置患者における遅延造影シーケンスはTrueFISP? vs TurboFLASH?

  • 2014/12/11
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条件付きMRIペースメーカー装着患者における遅延造影検査の勘所

 従来、MRIではペースメーカーが禁忌とされていましたが、条件付きMRI対応デバイスを使用する事で撮像が可能となり、撮像する機会も増えてきました。しかし、デバイスの種類や大きさによってはアーチファクトが発生し、診断に適さない画像が出てくることも経験します。特に心臓検査でよく使用するTrueFISPシーケンスでは図のような大きなBanding Artifactが発生します。
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遅延造影MRI検査に使用するシーケンスについて

遅延造影MRI検査の特長には、①梗塞心筋が明瞭な造影効果を示す ②心筋バイアビリティーの評価に有用 ③虚血性心筋症と拡張型心筋症との鑑別、などがあります。(詳細はMRI応用自在-第3版,P389-396をご覧下さい)
遅延造影MRI検査ではMagnitude画像が一般的に用いられ、正常心筋がnullとなるTIを設定することで傷害心筋が高信号に描出されます。しかしTIの設定を誤ると画像コントラストの反転が生じ信号の解釈を困難にさせてしまう事があります。
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そんな時、シーメンスにはPSIR法という便利な撮像シーケンスがあります。

PSIRシーケンスとは?

PSIR(Phase-sensitive Inversion Recovery)法は1心拍目に画像データ(Magnitude画像)を取得し、2心拍目にリファレンスデータを取得する手法です。そして、この2つの画像を掛け合わせ、感度補正を行った画像がReal画像となります。
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このReal画像は、負の信号成分が正の信号成分に反転されることのない遅延造影画像であるためTIの設定ミスによる画像コントラストの反転の問題が起きません。つまりTIの設定が不要な遅延造影MRI検査とも言えます。
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臨床の現場ではTrueFISPタイプとTurboFLASHタイプのPSIR法が使用できます。当院では時間分解能が高いTrueFISPを用いたPSIR法を使用しています。しかし今回、条件付きMRI対応のループレコーダ*の挿入患者さんで下図のような大きな磁化率アーチファクト(赤矢印)が発生し診断画像として提供ができない経験がありました。注)*ループレコーダとは患者のECG を持続的にモニターする植込み型心臓モニタである。また自動的に不整脈が検出された場合のECG 記録を保存することができる装置。

スライド2

そんな時はTurboFLASHを用いたPSIR法を用いるべし!!

そのような場合にはTurboFLASHを用いたPSIR法を使用する事で、大きくアーチファクトを低減する事が可能になります(黄色矢印)。デバイスの植込み位置や体格、息止めの仕方によってもアーチファクトが発生したり、しなかったり、と悩みの種が多いところですが、とりあえず困った時に試してみるのは良いかと思います。
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ライター紹介

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水野 直和(公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会 附属 榊原記念病院)

現在、CTとMRIを主にやっています。循環器専門病院なので、幅広い疾患には出会えませんが、動いているものをどのように撮像するか?・・・という事に日々、頭を抱えています。まだまだ、未熟者ですが皆様との出会いを大切にしつつ精進していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。最近の趣味?は車(エコカー)で日本全国を制覇する事です。ご当地情報もあれば、合わせて教えて頂きたいです。

 

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